探偵バトラー ~英国紳士と執事~
見慣れた御剣の屋敷に到着し、ロシュツ卿を離れへと案内した。
この屋敷には離れがいくつかあって、そのうちの一つは絵理が自室として使用しているのだが、他の離れは長期滞在の来客が来た時に使用しているらしい。
オレがここに来てから使われているのを見た事が無いから、そういう客が来る頻度はあまり多くは無いのだろう。
絵理もそのまま離れへ同行し、一緒にティータイムを楽しむ事になったようだ。
オレはロシュツ卿の荷物を指定された場所に下ろし、給湯室へ茶を入れに向かった。
紅茶にうるさい英国貴族に振舞えるよう、予め高級茶葉とフレーバーを一通り揃えておいたのだ。
先ほどから感じている不満は未だにもやもやと感情を支配していたが、それを表に出して楽しいひとときを邪魔したとなれば執事失格だ。
大きく深呼吸をして感情を落ち着け、完璧に淹れた紅茶を携えて、オレは二人が談笑する部屋へと向かった。
……数秒後にその努力が水泡に帰すとも知らずに。
この屋敷には離れがいくつかあって、そのうちの一つは絵理が自室として使用しているのだが、他の離れは長期滞在の来客が来た時に使用しているらしい。
オレがここに来てから使われているのを見た事が無いから、そういう客が来る頻度はあまり多くは無いのだろう。
絵理もそのまま離れへ同行し、一緒にティータイムを楽しむ事になったようだ。
オレはロシュツ卿の荷物を指定された場所に下ろし、給湯室へ茶を入れに向かった。
紅茶にうるさい英国貴族に振舞えるよう、予め高級茶葉とフレーバーを一通り揃えておいたのだ。
先ほどから感じている不満は未だにもやもやと感情を支配していたが、それを表に出して楽しいひとときを邪魔したとなれば執事失格だ。
大きく深呼吸をして感情を落ち着け、完璧に淹れた紅茶を携えて、オレは二人が談笑する部屋へと向かった。
……数秒後にその努力が水泡に帰すとも知らずに。