探偵バトラー ~英国紳士と執事~
彼女の名は御剣絵理。日本でも有数の財閥である、御剣財閥の後取り娘であり、オレが仕える主でもあった。
「このまま順調に行けば、後十五分ほどで到着いたします」
「そうか」
絵理が短く答えると、後部座席に乗っていたもう一人の人物がにやりと笑った。
「案ずるな。時間にはまだだいぶ余裕がある。せっかくの親子水入らずでの外出だ。そう急く事もあるまい」
がっちりとした体躯に、鋭い眼光。時代がかった口調と身に纏っている雰囲気は、戦国時代の武将を髣髴とさせる。この男こそ、御剣財閥の総帥、御剣兼定である。
財閥の総帥というにはまだ若すぎるくらいの年齢だが、王者としての貫禄と風格を十二分なほど兼ね備えていた。
「このまま順調に行けば、後十五分ほどで到着いたします」
「そうか」
絵理が短く答えると、後部座席に乗っていたもう一人の人物がにやりと笑った。
「案ずるな。時間にはまだだいぶ余裕がある。せっかくの親子水入らずでの外出だ。そう急く事もあるまい」
がっちりとした体躯に、鋭い眼光。時代がかった口調と身に纏っている雰囲気は、戦国時代の武将を髣髴とさせる。この男こそ、御剣財閥の総帥、御剣兼定である。
財閥の総帥というにはまだ若すぎるくらいの年齢だが、王者としての貫禄と風格を十二分なほど兼ね備えていた。