探偵バトラー ~英国紳士と執事~
 伝説? 魔除け? こけし?


 胡散臭すぎるだろ。


 オレの返答を待たずに、ロシュツ卿は話を続ける。

「レディ・エリから、君が就任してからの活躍を聞いて確信したよ。君は信用に足る人物のようだし、腕も立つそうじゃないか。
 三人の暴漢を同時に相手にして一瞬のうちに片付けるなんてそうそうできる事じゃない」

 確かにそれは事実だが、あの時は完全に不意打ちが成功したからであって、まともに戦ったとしたらあんなにあっさり片がついたとは思わない。

 それでも負ける気は全くしなかったけどな。

「ミツルギから君を紹介された時は少し頼りない印象も受けたが、物怖じせずに自分の意見をきっぱり言うのはなかなかできる事じゃない。
 欲を言うならもう少し冷静さが欲しいところだが、その後の対応、感情の立て直しの早さは充分合格ラインだ。レディ・エリとミツルギが君を買うわけだね。いや、その若さで実に素晴らしい」
< 22 / 32 >

この作品をシェア

pagetop