探偵バトラー ~英国紳士と執事~
「良かったら、私にも手伝わせてはくれまいか? 現在、夏季休業中なのでそれなりに自由時間は取れる」

 この申し出にロシュツ卿は驚きの表情を見せたが、それも一瞬の事ですぐ元の笑顔に戻る。

「レディ・エリ自ら手伝って頂けるとは光栄だね。是非頼むよ」

 この返答を聞いて絵理は満面の笑みを浮かべた。立ち上がり、オレとロシュツ卿の握手の上に自分の手を重ねる。

「よし、では今から我らは『伝説の魔除けのこけし捜索部隊』だ。どんな困難が待ち受けようとも、必ずや探し出そうぞ!」

 両の瞳にロマンを映し、戦国姫は高らかに宣言した。

 かくして、庭のししおどしを開幕のベル代わりに、世にも馬鹿馬鹿しい捜索劇が幕を上げのだった。
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