Replicant・Lover's No.7 野いちごバージョン
「……そうですねぇ……」

濃いピンクの液体が波打ちながらカップに満ちると、彼女の方へそっと滑らせた。

ハチミツの入った器と、もう一つ、別の器を彼女の前に置いた。

ふたつの器を覗き、ハチミツでない方の器を私の方へ押し返した。

「これは、いらない」

バラを模った砂糖菓子の入った器だった。

「硬いのは嫌」

いつも通り、固形物には、徹底して嫌悪の反応を示す。


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