Replicant・Lover's No.7 野いちごバージョン
「どうしました?」

彼女の前に片膝をつくと、彼女は私の首に手をまわし、今にも泣きそうな顔で、

「足が痛いの」

と抱きついてきた。

「どのように?」

「かかとがね、びりびりするの」

「失礼」

彼女を抱きあげ、テラスへ向かった。

小さな彼女の身体は見た目通り軽く、楽々と運べる。

「えへへ、お姫様だっこ、うれしっ」

今さっきまで泣きそうだった表情が笑顔に変わり、私の身体にぎゅっと抱きついてくる。

どうやら、大したことはなさそうだ。


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