smile~君がいた夏~



次の日の朝。



体中が痛かったが、そんなこと気にならないほど俺の気分は晴れていた。



母さんは俺が事故に遭ったと聞いてからずっと、
病院で俺の意識が戻るのを待っていて相当疲れが溜まっていたらしく、昨日やっと安心して一旦家へ帰った。



心配かけたことを謝ったら母さんは笑って、
家で一人は寂しいから早く元気になって帰ってきなさいよって言ってたな。




俺は一人っ子だし・・・


父さんは十年前に死んだ。



だからずっと母さんと二人暮しだった。



父さんが何の病気だったかでさえ、幼かった俺は覚えていない。





でも、父さんとの思い出は今でも鮮明に記憶に残っている。



父さんは野球チームの監督だった。




・・・って言っても草野球チームのだけど。





だからよく、父さんとはキャッチボールをした。



父さんの影響があったから俺は今も野球を続けている。




「・・・くん。涼くん!!」
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