スケベの季節

都・洛陽の郊外で戦闘は開始されていた。各地から終結した反董卓連合軍を迎え撃っているのは、董卓軍最強の武将・呂布奉先だった。
董卓討伐の大義名分を掲げ威風堂々とここまで進軍してきた反董卓連合軍だったが、軍を指揮している司令官達は、戦場の中央に馬を駆るただ一騎の敵の武者に、次の軍配を振り下ろせないで軍勢をその場に足踏みさせてた。
「この呂布奉先と矛を交えようという勇者はおらんのか！」
呂布は、方天画戟を馬上で構え、ふてぶてしく自軍に倍する連合軍を見渡した。
「ふん、雑魚どもが！」
呂布の挑発に、連合軍盟主・袁紹は怒に顔面を赤らめさせながら、叫ぼうとした言葉をぐっと押しとどめた。
（ここでうかつに動いても、兵を無駄に消耗するだけ・・・！くそっ、なんとか流れをこちらに引き戻せないか・・・！）
連合軍の覇気が呂布によって霧散しようかとしていた、その時、
「ハッ！」
一騎、男が連合軍軍営から飛び出した。
「呂布ーッ！はじめましてーッ！ずっと貴方が好きでしたーッ！」
それは関羽だった。
すぐさま関羽を追って、劉備と張飛が、
「ちょっと待ったーッ！」
と飛び出していく。ベアトリクスは張飛の後ろに騎乗した。