スケベの季節
「ちょっ、待てよ関羽!それって俺たちが目指すユートピアじゃないか!もうすでに地上に楽園はあったのか!」
「すげえ!関羽の兄ぃ、おいら、想像だけで泣いちゃいそうだぜ!」
感激する劉備と張飛に、関羽は難しい顔をしながら言葉を続けた。
「しかし、そう喜んでもいられないぞ。400年続いた漢帝国も、今や十常侍を筆頭とする宦官たちが政治の実権を掌握して、朝廷も政治もハチャメチャデラックスらしい」
「ねえ兄者たち、宦官ってなんだ?」
「張飛は筋肉のこと意外、本当に何も知らないんだなぁ!」
劉備は得意そうに義弟を見下しながら、
「宦官ってのはねぇ、ティンカーベルレスの、工事後の男の子たちのことだよォ!」
「その通りだ。ティンカーベルレスの奴らに、漢の帝国が支配されているのだ。これは攻守逆転というか、イケナイ事だよ。いま世間では住民叛乱がマジヤバくて、中でも黄色いほっかむりを被った集団が・・・」
関羽が再び会話の主導権を握ったとき、桃園の中に、ドスンという音が響いた。
男たちが音の方向を振り向く。
「痛ったー!」
そこには、尻餅をついた格好で顔をしかめている、妙な服装の少女がいた。
「どこじゃここはー!?」




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