スケベの季節
ベアトリクスは突如目の前に現れた艶やかな桃の花の空に目を丸くした。そして、自分を見つめている三人の男たちに気がついた。
「あの、すいません、ここどこですか?」
劉備は立ち上がってこちらに近づいてきたベアトリクスを珍しそうに眺めながら、
「変ないでたちをした女だ。でも女、俺たちホモだから、邪魔すんな」
と冷たく言い返した。
「えっ、あなた達ホモなの!?」
残念な事に、ベアトリクスは心が腐った方の女子であった。
「本物に会うのは初めて!じゃあアナタが猫で、あなた達がタチかしら?」
彼女は最初に劉備を指差し、次に関羽と張飛を見回した。
「女、兄者に失礼なことを言うな!劉備の兄者はな、この界隈じゃ向かうところ敵無しのタチじゃ!おいらも関羽の兄者も、3日に2回は猫可愛がりされている!マジでこの男激ヤバよォ!」
「すごーい!私、マジで尊敬しちゃう!で、ここドコ?」
劉備はベアトリクスが瞳を輝かせながら見つめるのに気を良くして質問に答えた。
「ほほう、お前は女のくせに俺のすごさが分かるんだね。なかなか頭のいい女だ。ここはね、西暦184年の中国だよ」



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