年下ダーリン
「りん……」








少しの間そうしていた。周りの寒さなんて、ちっとも気にならなかった。でも、翔の声で現実に引き戻された私は、無性に恥ずかしくなって、いつものそっけない口調になってしまう。










「あったまった??」







「ん…」








「べ、別にしたくてしてるわけじゃないのよッ!!??ただ罪悪感ッてか…悪かったな、て思うだけで…」






「ん……」








腕の中にいる翔はそれしか言わない。






言い過ぎたかな……。








いざとなったら素直になれない自分。そんな自分が嫌になる。







離れようとしたとき、ぶら下がっていた翔の腕が私の背中に回り、今度は逆になった。
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