年下ダーリン
部屋は意外と質素。シンプルだった。
物があまり置いてなくて、本棚ばかりが部屋の隅をうめていた。



私がキョロキョロしながら、座るわけでもなくおどおどしていると、肩をポンッと叩かれた。



「座りなよ」




少しニヤッとしながら翔が言った。
これぞまさしく、余裕の表情ってやつだ。




「わ、分かってる…!!今座ろうかなー、て思ってたの!!」



プイッとして、そのままふかふかの絨毯の上に腰を下ろした。


そしてすぐあとに、翔がテーブルをはさんで目の前に座った。






部屋の中には私と翔…




急にその事実を意識させられて、私は身体中から汗が噴き出しそうなくらい、体温が一気に上がるのが分かった。
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