年下ダーリン
「りん!」



追ってきた翔を無視して、私は早歩きで帰る。





「りんったら…!」





聞こえない、立ち止まらない……ここで立ち止まったら…離れられなくなる……



そのとき、後ろから追ってきた足音が消えた。




「うっ」という、小さなうめきとともに…



私が振り返ると、翔が腰を丸めてうずくまっていた。




手に持ってたカバンを投げ捨て、翔のもとに駆け寄る。





「翔!?大丈夫!?はっ、しっかりし……!」



駆け寄った途端、右手を強い力でグッと掴まれた。綺麗な蒼眼がこちらを見つめていた。
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