Ball&Boy
この部活には、きっとあたしは、入らないだろう。

だって、待ち合わせ場所も曖昧で、遅刻してきた一年生に連絡すらしない。

よく分からない。

あたしは、高校も中学も体育会系の部活だったから、連絡をしっかりしないといけないことを肌で感じていた。

「(所詮、部活って言っても大学なんだからこんなもんよね…)」

席に案内されて、目の前にお酒が置かれ、乾杯をかけられてすぐに飲み始めた。

「…、羚。」

「ん?」

「オレンジジュースないかな?」

菜々が小声で話し掛けてくる。

「何、カシオレ?」

「え、何それ。お酒?違う、普通のソフトドリンク。」

「あー、飲めないんだっけ。んー、置いてないみたいねぇ。あの、先輩、すみません…。」

さっき、話した早乙女先輩に、ソフトドリンクを頼んでほしいと伝えた。

「羚ちゃん飲めないの?」

「いえ、私ではなく、菜々です。私は普通に飲めますよ。」


「おー、言ったね。こっち来て、飲まない?一年マネ。」


これが、あの人との初めての会話。

一年同士仲良くしろって言ったのは、誰だよ。


でも…
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