Ball&Boy
「高濱 湊司(たかはま そうじ)、二年だよ。ソフトドリンクちゃんは?」

羚と菜々子の間に座った高濱先輩。

髪は短髪で、スポーツマンらしいが、線が細い。
顔は、まーまー格好いい。

「何すか、その名前。春日 羚です。一年です。」

「他の子は?」

「菜々子、萩本 菜々子です。」

菜々が真横だったため、高濱先輩と目が合ったらしく、ビビりながら挨拶をしていた。

「俺−」「私は−」

急にきた先輩に我先にと挨拶を始める部員とマネ。

「(めんどくせぇ。)」

自己紹介とか、実際めんどくさい。

名前なんか覚えてないっての。

菜々の名前覚えるのもめっちゃかかったってのに。

「お待たせしましたー。オレンジジュース、ピッチャーです。空いてるピッチャーありましたら、渡してください。」

店員がやってきて、菜々子のためのオレンジジュースが来た。

しかもピッチャー。

「でかッ。菜々、コップん中空?他は、誰か飲む?」

目の前におかれたオレンジジュースを配ろうとする羚。

仕事柄、こういうことには慣れている。

「羚、ビールが…。」

一番最初に注がれた一口程度のビールが、菜々のコップの中にあった。

「うん、あたし飲むよ。」

一口程度のため、一瞬でなくなる。

つか、男子諸君。


飲んであげてよ。
< 16 / 23 >

この作品をシェア

pagetop