Ball&Boy
一歳なんて、たかが、365日じゃんか。



経験たって、別に…




あたしは、まだ、きっと子供だったんだと思う。



「羚ちゃん。」

「はい。」

少し、ボーっとしてしまった羚に話しかけてきていた高濱先輩。

「もう、終わりだって。支度はじめてるよ。」

いつのまにか、皆も立ち上がり支度を始めていた。

「菜々ー、言ってよー。」

「菜々ちゃん、お手洗い。早くしなきゃ置いてかれるよ。」

「はーい。」

ジャケットを羽織って、携帯を出して、時間を確認する。

さっきから、二時間か…

「菜々、お帰り。」

お手洗いから帰ってきた菜々を、笑顔で迎えた。

「羚、この後カラオケあるんだって。どうする?」

「ん。」


この部活に入らないって思った、二時間前の自分。



でも、今は、わからない。



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