佳代子о

大学に入学して数週間が経ったある日。
佳代子と大学からの帰りに電車が一緒になり、満員電車に一緒に乗った時の事。

並んでドアの際に立っている私達。

私「めっちゃキツイ~。1本ずらせばよかったね。」

カヨ「う、うん・・・。」

私「どうしたの??」

カヨ「あ・あのね・・・私、痴漢されてるかも・・・。」

佳代子がスカートを押えながら言う。

私「え?!どこ触られてんの?!」

カヨ「触られたは無いんだけど・・・スカートすっごい引っ張られる・・・。」

身動きの取れない状態で佳代子のお尻あたりを見る、と確かに引っ張られてるけど・・・。

私「カヨ。ドアに挟まってるだけだよ。」

そう。ただ、スカートが挟まってるだけ。
電車のゆれで引っ張られているように感じるんだろう。
後ろの見えない佳代子。

カヨ「絶対うそ!!だってパンツも引っ張られてるもん!!」

えっ。パンツも挟まってんの?!どういう状態?!

その時、ちょうど駅に着き佳代子のドアに挟まったスカートも取れた。

・・・と、佳代子が猛ダッシュ。
斜め前に居たおじさんにタックルすると叫んだ。

カヨ「この!!痴漢野郎!!逃げてんじゃねぇよ!!」

あたりは騒然。
私もおじさんも呆然。

佳代子・・・スカート挟まってただけだぞ・・・?

当時の佳代子。
今より2割り増しの大きさ。
歩けば股ずれするほどの太い足に大きなお尻。

周りの誰もが思った事だろう・・・。

わざわざお前を触らないよ(´、ゝ`)

周りに居た人から
「お姉ちゃん、ほんまに触られたんか??」と声が上がる始末。

すかさず

私「カヨ!!ほんまにスカート挟まれてただけやって!!しかもこのおじさん周りに居てへんかったやん!!」

そう言うと、やっぱりな。と周りに納得した空気が流れた。

その後、佳代子のタックルを受けたおじさんは全治2週間の擦り傷を顔に負った為、医務室と駅員室で説明をさせられる事2時間。

その間、佳代子はずっとふてくされたまま。

おじさんの好意で治療費などの支払いは避けられたものの、なぜか謝ったのは私だけ。
佳代子は一言も謝らず先に帰宅。

他人を巻き込む被害妄想・・・。
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