光の世界 -side episode-
誤解
――――――
キーンッ!キーンッ!
まだ日がでたばかりで、少し肌寒く感じる朝。
剣と剣がぶつかり合う音が響く鍛錬場にゆっくりと近づくひとつの影。
茶色の髪を風になびかせながらゆっくりと鍛錬場を取り囲む塀へと近づいていく。
「おい、レイッ!ちょっと休憩しようぜ」
「うん!」
剣の稽古をするふたりを陰からこっそり見ているその影は、始めてみるロイが剣をふる姿に目を奪われていた。
しかし、休憩をするため場所を移動したふたりにあわてて目を向けた。
遠くて何を話しているかまではわからないが、仲良く笑いながら話すふたりの姿…
(あんな顔…するんだ)