光の世界 -side episode-
「私といる時は…あんな顔しないくせに…」
ロイを睨みつけていた大きな瞳に、じわじわ涙が浮かんでくる。
「ロイなんか、ロイなんか…大っ嫌いッ!」
そう言うと、ティファは走り去ってしまった。
呆然と立ち尽くすロイの背中をトンと押して、レイが言った。
「行かないの?」
「…ッ!ティファッ!!」
ロイは走り去るティファを追いかけ、鍛錬場を駆け抜けた。
(ロイなんか…ロイなんか…)
溢れ出る涙を必死に堪えながらティファは城へ続く道を走った。
しかし、男のロイの足にかなう訳もなく、追いかけてきたロイに腕を捕まれた。