光の世界 -side episode-
「離してッ!!」
手を振り払おうと必死で暴れるティファの手を、ロイは再び強く握りなおした。
「なんだよ…さっきの…」
「もううるさいッ!ロイはロイは…」
そう言って振り返るティファの目からは、ポロポロと涙がこぼれ落ちていた。
「ロイは…レイが好きなんじゃないの?…私といても、あんな顔…しないじゃない」
ティファの言葉を聞いたロイは、まティファの腕を掴んだまま城の方へと歩き出した。
「ちょっと!離してよッ!ロイなんかきら…」
「いいから黙ってついて来いッ!」
ロイに引きずられるような形になっていたティファはロイの腕を振り払おうと暴れていたが、始めて聞くロイの怒りのこもった声に、次第に大人しくなった。
城へ歩く道の途中、前を歩くロイの後ろ姿に時折声をかけてみたものの返事はなかった。