光の世界 -side episode-
本当に嫌われてしまったのかと思いながらも、掴まれた腕から感じるロイの温もりに、ティファは胸が熱くなった。
城へ着くと、ロイはティファを連れたまま自分の部屋へと向かった。
「ねぇ…どうしたの?」
ティファの問いには答えず、ロイは部屋へ入るなり机の引き出しから何かを取り出した。
「ほら…」
そう言ってティファの前に突き出された掌には、小さな指輪が置かれていた。
「これ…」
なかなか指輪に触れようとしないティファに苛立ったのか、ロイはティファの左腕を掴むと、そっと薬指に指輪をはめた。
「つけとけよ…俺のもんって証拠だ」
その指輪はティファの手には少し大きく、簡単に抜けてしまいそうだった。