光の世界 -side episode-
「リリーナ?」
突然俯いたリリーナを不思議に思い、顔を下からのぞき込もうとするクライブを避けるようにリリーナはくるりと体を回転させた。
「もう行くわ!私も仕事をしないと」
後ろを向いたままのリリーナに、クライブは微笑んだ。
「ええ。ではまた」
クライブの言葉を聞くと、リリーナは振り返らずにバルコニーを後にした。
もし振り返っていたら、真っ赤に染まった自分の顔を見られてしまうから…
そして…
自分の気持ちがばれてしまいそうだから…
高鳴る胸の鼓動を感じながら、リリーナは仕事へと向かったのだった。