光の世界 -side episode-


――――――


翌日。リリーナはクライブを買い物に誘いふたりはさっそく街へ出掛けた。



「すごい人…」

「そうですね」



街には旅芸人が訪れているせいか、いつもの倍以上の人で溢れていた。



人ごみにもまれながら、リリーナはたまに触れるクライブの手に胸がドキドキと高鳴っていた。



「一旦、あそこに座りましょう」



そう言ってクライブが指さしたのは、広場にある噴水だった。



「ええ…」



リリーナが笑顔で答えようとした時、人ごみが一気に動いた。



「きゃっ…」



人がぶっかってきた衝撃で、リリーナの体はグラリとよろめいた。



「リリーナ」
< 27 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop