光の世界 -side episode-
リリーナに差し出されたのは…クライブの手。
「捕まって」
笑顔で自分の前に差し出された大きな手。
リリーナは、少しためらいがちにその手を握った。
リリーナが手を握ったのを確認すると、クライブはリリーナの体をぐいと引き寄せ、自分の体でリリーナを庇うようにしながら噴水の近くまでたどり着いた。
「リリーナはここで待っててください。何か飲み物でも買ってきます」
そう言って再び人ごみの中に消えていくクライブ。
そんな彼の背中を見つめながらリリーナはまだ手に残るクライブの温もりを感じていた。
「クライブ…」
さっき、聞こえてしまうんじゃないかと思った…
びっくりするぐらいに高鳴っている…自分の心臓…
そんなリリーナの元に、怪しく近づく男の影…