光の世界 -side episode-


「お姉さん」

「ひとり?だったら俺たちとどっか見に行こうよ」



話しかけてきたのはいかにもといった装いの男ふたり。



「いえ…結構です」



彼らから顔を反らすようにしながらキッパリとリリーナは言い放った。



しかし男たちはそんなリリーナの腕をぐいと掴むと無理やり立ち上がらせた。



「冷たいなぁ。ちょっと俺たちと来てくれればいいんだよ」



ニヤリと笑う男の顔を見て、リリーナは思わず手を振り上げた。



その時。



「何してるんです?」



リリーナと男の間に割り込むように立ちふさがったクライブが、にっこりとした笑顔で男を見つめた。



「何だお前…」



そんな男には目もくれず、クライブは買って来た飲み物をひとつ、リリーナに渡した。
< 29 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop