光の世界 -side episode-
「てめぇ…ふざけてんじゃねぇぞっ!」
クライブの態度に腹を立てたもう一人の男がクライブに襲いかかろうとした時。
「いでででで…」
先ほどまでリリーナの手を掴んでいた男の手が、クライブによってひねりあげられたのだ。
「ふざけてんのはどっちですか」
クライブはそのままもうひとりの男の方へぐいと腕を払うと、今までの笑顔とは別人のような冷たい瞳で言い放った。
「今度彼女に手をだしたら…腕だけじゃすまない…」
そんなクライブの表情に男たちはひっと悲鳴をあげると、一目散に逃げていった。
「あ…ありがと…」
お礼を言おうと口を開いたリリーナの頭に、クライブの大きな手が置かれた。
「僕がいない所でナンパされちゃいけませんよ」
にっこりと微笑むクライブに、リリーナは再び頬を真っ赤に染めるのだった。