光の世界 -side episode-
恋の病
「はぁ……」
仕事が手に着かず、持っているペンを置くとリリーナは頬杖をついた。
日に日にクライブへの気持ちが大きくなっている事に気付きながらも何かが邪魔をして気持ちを伝えられない。
「どうした?」
そんなリリーナの様子に気付いたディアスが声をかけた。
ふたりは今次の会議で使うサレスの軍事関係の書類をまとめていた。
ディアスの問いかけにリリーナが口ごもっていると、書類の束をトントンと揃えながらディアスが口を開いた。
「クライブか?」
「えっ…」
ディアスの口から出たクライブという単語に思わずリリーナは反応してしまう。
そして僅かに頬を染め、俯きながら話し始めた。
「私…クライブの気持ちが知りたいの…」