光の世界 -side episode-


おそらくはパーティーなどでクライブに一目惚れをしたのだろう。



「そういう事でしたら……もうお会いできません」



女性に向かってキッパリとそう告げるクライブ。



リリーナは初めはホッとしたもの、目の前の女性と自分の姿が重なり胸がチクリと痛んだ。



「…ッ…!」



女性は大粒の涙を流しながら、走り去って行ってしまった。



リリーナがどのタイミングで出ようかと悩んでいると、静かな庭園にクライブの声が響きわたる。



「そこにいるのは誰です?」



クライブの言葉に、リリーナの体がびくりと跳ね上がった。



「覗き見なんて、あまり趣味がいいとはいえませんね」



そう言いながら、クライブは人がいるであろう方向に鋭い瞳を向ける。



しかしその人物の姿を見た途端、クライブの表情が驚きに変わった。
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