光の世界 -side episode-
「リリーナ…」
俯いた状態のまま、リリーナはゆっくりとクライブに近付いて行く…
「見て…いたんですね」
クライブの表情に、リリーナは涙が溢れそうになるのを必死でこらえた。
どこか悲しげな表情でリリーナを見つめるクライブ。
沈黙のふたりに、冷たい雨が降り注ぐ。
「とりあえず中へ…風邪をひきます」
そう言って自分に背を向けて歩き出すクライブ。
そんな彼の後ろ姿に、リリーナはもう自分の気持ちを抑える事ができなかった。
たとえ仲間でもいい…
嫌われたっていい…
あなたに、そして自分自身に…
もう…嘘はつけない…