光の世界 -side episode-


「あんな雨の中にいたら、また倒れてしまいますよ」



リリーナはクライブの顔を見る事ができなかった。



泣いている自分を見られたくなくて…



クライブの顔を…見たくなくて…



「そうね…部屋へ帰って休むわ」



リリーナが部屋へ帰ろうと歩き出した時、後ろからふんわりと優しい腕に包まれた。



「誰が帰すっていいました?」

「え…?」



後ろから聞こえる言葉に思わずリリーナが振り返ると、目の前には優しいクライブの笑顔があった。



「帰しませんよ?」



そう言いながら、クライブはもう一度リリーナを抱きしめた。
< 40 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop