冒険の章1
僕は慌ててそのゲームを入れないでと母に言い、貰いました。

何故?と母に訪ねられました。
僕は「だって兄貴にレベル上げを頼まれたから」と答えました。

僕はくる日もくる日も時間を見つけては、レベル上げをしていました。

だってこのゲームの中には兄貴が生きてるから。
そして強くなったらひょっこり兄貴が帰って来るかも、戻って来るかもと思っていたのかもしれません。

兄貴はとても強くなりました。
凄い魔法で敵を一撃で倒してしまう位強くなりました。

そしてある日…
そのゲームのセーブデータが消えてしまいました。

その時、初めて僕は泣きました。
母の近くでずっと泣き喚きました。
ずっと…ずーっと…

僕はやっと兄貴が死んだのを実感しました。

セーブデータが消えたのは兄貴が消したのかもしれません。
「いつまでも引きずるな」っと思い消したのかもしれません。
過去に捕われるている僕に見かねたのかもしれません。

僕は兄貴の遺影の前で言いました。
「兄貴ありがとう、そしてごめんなさい。此からは前を向いて歩いて行くよ。
だから…だから…だからゆっくり休んで兄貴。」

< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

TOY MEMORY
イリア/著

総文字数/2,565

ファンタジー7ページ

表紙を見る
短編作品集
イリア/著

総文字数/3,164

その他6ページ

表紙を見る
君がいなくなってから覚えた歌
イリア/著

総文字数/1,359

恋愛(その他)4ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop