明るい道
夢架は一人で夜の公園に居た。一人で居ると親の事、近所からの冷たい目。
そんな事を思い出すと涙が出てくる時がある。
この公園は唯一泣いてもいい場所。ここ以外では絶対泣かないと決めた。
今日も少し思い出し涙を流した。
後ろから足音が聞こえる。夢架は急いで涙を袖で拭いた。
後ろを見ると男の人が立ってこっちを見てる。
「なに見てんだよ。」
「別に。ただこんな夜遅くに女の子が一人で居るから危ないなぁって思って。」「別に大丈夫だし。」
「なら良いんだけど。でも、こんな所で泣いてると、俺が襲っちゃうかもよ。」「えっ。」
夢架は、びっくりして後ろに倒れた。
「おい。大丈夫かよ。冗談だよ。」お前は笑いながら夢架をそっと立たせた。
急に恥ずかしくなりその場から逃げ出した夢架。
初めてのあんたとの出会い。この日からこいつの事が気になり始めた。
夢架は次の日もその次の日も公園に行くようになった。
けど、お前は来ない。
それでも夢架は、あの公園に行く毎日。
一週間経っただろうか。
やっとお前が現れたんだ。
< 3 / 6 >

この作品をシェア

pagetop