マーブル色
「へぇ~~~っ。」
「……ねぇ、雅。」
ぼ~と話を聞いていた雅に、空も口をぽかんとあけたまま言う。
「どうしたの?くぅ。」
「………あたし、人生で初めてナンパされちゃったよ!!しかも年上のお兄様に!!」
「えぇっ!!う、うん……。」
「何か感動だよ!!これがナンパってやつなんだね。」
「ぶふっ」
空と雅は声のしたほうに振り向いた。すると、それはさっきまで声を発していなかった祥三の声だった。
「お前おもしろいな!!
初めて見たよ!!ナンパされて感動とかするやつ。
はははっ!!」
「笑いすぎだろ?祥三。
でも、確かにうけるな…くくっ。」
いきなり笑い出す2人にわけがわからない空だったが、とりあえず笑ってるならいっかとあっさりとした思いでいた。
「あぁ~っ、笑った笑った。お前気に入ったよ。
よし!!俺らが人生初のナンパとお持ち帰りをしてやるよ。」
「おっ、おもちかえり!?」
「おぉ~、おもちかえり…。」
びっくりする雅とは逆にちょっとわくわくしたような表情を見せる空。
「くくくっ。ほんとおもしろいのな、お前。」
「安心してよ、おもちかえりって言っても、近くのカフェでお茶しようって程度だから。」
港貴が雅を安心させようとそう告げた。