†truth†


「は…!?」

その微かな声を、愛津はしっかり聞き取っていた。


「なんで、知ってんの…」

語尾は上げずに聞いた。

「俺の親父、警察官」

表情一つ変えずに上田が答えた。


「ちょっと待って、どーいうこと!?」

愛津一人が、状況について来れてなかった。

「嘘でしょ、栄来!?」

「本当だよ…」

言ったと同時に、少し微笑んだ。

「でも、行方不明ならまだ…」

「お前バカじゃねぇの。もう死んでるに決まってんだろ」

愛津の声を遮って、上田が言った。


…瞬間、私はキレた。


バシッ!!!

鈍い音が響く。


「っ…」

「痛ぇな!何すんだよ!?」


何も言わずに、教室を飛び出した。



「栄来っ…」

後ろで、愛津の声が聞こえた。





「はぁっ…はぁっ…」

走って走って、着いたのは裏庭。

涙が頬を伝う。


悲しい涙なのか、悔しい涙なのか、わからなかった。



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