first love【完結】
「亜紀だけは譲れない」
俺は福原をキッと睨み付け拳をギュッと痛いくらいに握った。
「あっそ。俺もあいつだけは譲る気ないから」
俺達の間に冷たく嫌な雰囲気が流れる。
そしてしばらくの沈黙の後、福原は静かに口を開いた。
「まぁ、いいか。これで俺等対等の立場になれたわけだし。あんたもせいぜい頑張るんだな」
福原は最後に「亜紀は俺がもらうけどな」そう付け足し背を向けると、校門の方へと歩いていった。