first love【完結】
「制服じゃパチは無理か」
行く当てのない俺は仕方なく家に帰った。
「……この時間じゃ裏口しかねぇな」
“またサボったの?!
いい加減にしなさい!!”
ババァにガミガミ言われるのは御免だ。
親に見つからぬよう、店の裏口からコッソリ家の中に入る。
まんまと部屋に入ると、俺はすぐさまベッドに座りテーブルの上にあった煙草に火を点けた。
すると一瞬にして、煙草の白い煙が部屋中に充満した。
「……くせぇな」
俺は急いで締め切っていた部屋の窓を開けた。