first love【完結】
一生サイド
閉会式後、亜紀に電話をしてもメールをしても一向に返事がこない。
あいつ俺の言ったこと忘れたのかよ。
仕方なく校内を探し回っていると、
「一生くん誰か探してるの?」
キョロキョロと周りを見渡す俺に鈴木が声をかけてきた。
「おお。なぁ、亜紀知らねぇ?」
亜紀の親友である鈴木なら居場所を知っているかもしれない。
「あぁ、なんか陸くんに話があるからって裏庭に行ったよ?」
「……裏庭?分かった。ありがとな」
鈴木に一言礼を言うと、俺はそのまま廊下を走り裏庭に向かった。
何故かざわざわと煩く鳴り続ける胸の音を無視するかのように……――