first love【完結】
「……っ」


その温もりはあたしがずっと待ち望んでいた温もりだった。


強くて大きな腕があたしの体をすっぽりと包み込む。

「行くなよ。他の男なんて見んじゃねぇ」


そう言う一生の言葉は行動とは裏腹に弱よわしかった。


「何で……何でそんなこと言うの?一生は他の女の子と遊んでるんでしょ?!」

嫉妬からついつい強い口調になる。

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