first love【完結】
「亜紀の事守れるのは俺しかいねぇんだよ」


「一生……」


一生の言葉に再び溢れだしそうになる涙をぐっと堪える。


ねぇ、一生?


今日こうなってわかった事があるよ?


あたしは一生から逃げていたんだ。


好きで堪らないからこそ、一生と一緒にはいたくなかった。


いられなかった。


付き合っていても、誰かにとられてしまいそうで苦しかった。


一生があたしから離れて行ってしまうかもしれないと思うと辛かった。


でもそれは自分勝手な思い込み。


あたしは一生の事なんてこれぽっちも考えていなかったんだ。

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