first love【完結】
「ハァ……着いた……」
学校の門をくぐると桜が綺麗に咲いていた。
4月特有の風景に心が安らぐ。
でも今はそんな景色をゆっくりと見ている暇なんてない。
あたしは桜の木を横目に見ながら、新入生のクラス発表のある掲示板まで走った。
もちろん辺りには人など居らず、遅刻が確実になったあたしは肩を落とした。
“1-A佐藤亜紀”
「A組かぁ」
あたしは自分の名前を確認すると急いで教室へと向かった。