first love【完結】
一生サイド
あいつを家まで送り届けると、俺は元来た道を引き返した。
「何で俺があいつを家まで送らなきゃなんねぇんだよ」
道路に落ちていた石を思いっきり蹴っ飛ばす。
でも俺があいつを誘ったんだ。
“今日、俺に付き合えよ?”
気付いた時には、無意識にあいつの腕を掴んでいた。
“付き合えよ”と言ってはみたものの、行く場所なんてなくて。
考え抜いた挙げ句、俺はあいつを自分の家に連れていった。
制服をクリーニングにだすという自分でも意味の分からない名目で。