first love【完結】
翌日。
教室に入り椅子に座った瞬間、周りを女達に囲まれた。
「一生くん、おはよ!」
朝から妙にハイテンションな女達。
俺の机の周りはいつの間にか黒山の人だかりが出来ていた。
「……ギャーギャーうるせぇな」
「キャァ〜!一生くんが話し掛けてくれたぁ!!」
「違うわよ!あたしに話しかけてくれたんだから!」
俺の嫌味に何故かキャッキャッと喜ぶ女達。
こいつら重症だな。
何を言っても無駄だと潔く諦めようとした時、
「亜紀!おはよ!」
あいつの名前が聞こえ、俺は反射的にパッと顔を上げた。