first love【完結】
「二人って?」
愛の何気ない呟きに、陸くんが一瞬怪訝そうな表情を浮かべた。
その表情に全く気付いていない愛はさらに続ける。
「そうそう!女の子達に囲まれてる、窓際の席にいる男の子!あっちの……」
愛が指を差した方向を目で追う。
え……?
その先では一生がジッとこっちを見ていた。
一生……?
一生は何故か怒ったような表情を浮かべている。
横を見ると陸くんも一生を少し鋭い目で見ていた。
何故か一生と陸くんの間に険悪なムードが漂う。
そんな雰囲気を壊すようにタイミングよく、予鈴を告げるチャイムが鳴った。