first love【完結】
そして引っ越し当日。 


“最後に亜紀ちゃんに会いたい”


そんな俺のワガママに母さんは笑顔で頷いた。 


亜紀の家に着きインターホンを鳴らすと、 


「お母さん車に戻ってるわね?」


母さんは俺の肩をポンポンと叩くと、優しく微笑んだ。


今思えば、母さんなりに気を遣ってくれていたんだろう。


この時まだ幼かった俺は、母さんが微笑みかけてきた意味が理解できなかった。 

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