first love【完結】
「陸くん!」
亜紀は嬉しそうな表情で玄関を飛び出し俺に駆け寄った。
そして俺はハァハァと息を切らしている亜紀に問い掛けた。
「亜紀ちゃん、僕のこと好き?」
「え?陸くん、突然どうしたの??」
一瞬困った表情を見せる亜紀。
でもすぐに、
「好きだよ!」
亜紀は太陽のように眩しい笑顔を俺に向けた。
冷静に考えると亜紀の“好き”という言葉に深い意味はなかっただろう。
でも、この時の俺は嬉しくて嬉しくて仕方なかった。
そして俺はその勢いに任せて、
「亜紀ちゃん、絶対結婚しようね?」
「うん!」
叶うか分からない約束をして亜紀と指切りを交わした。