first love【完結】
「あ……うん」
「じゃあ俺、教室に戻るから。またメールする」
あたしの頭をポンッと叩くと、陸くんは一生と一度も目を合わせることなく足早に教室を後にした。
そして、陸くんが教室から出ていった事を確認すると、
「……ねぇ。何で陸くんに余計なこと言うの?
押し倒してなんかないでしょ?!」
あたしは一生を問い詰めた。
「事実を言っただけだろ?」
「……でも、あれは事故でしょ?!
それに何で陸くんにあんなに絡むの?陸くん可哀想だよ!」
「何でって……ムカつくからに決まってんだろ。
俺、あいつ嫌いだからもう教室に連れて来んなよ。
目障りなんだよ」
一生は吐き捨てるようにそう言うと、机の脇に掛けてあった鞄を持ち立ち上がった。