擦り切れた のど。
プロローグ
きっと。



夕暮れはもう 赤い。



涙が音をたてて木製の机におちる。
部屋は薄暗く机のスタンドライトだけあかりが暗闇に影を作っている。
孤独で出口のない闇だけがこびりついて。いきができない。
そう少女は暗闇からにげ


ただ息を するために。

手首に剃刀の刃をすべらせた。

ただ 息をするように。



赤い線が手首でプツプツ溢れ滴っていった。
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