擦り切れた のど。

プロローグ2

空は晴れ。だけど俺の気持ちはダルく、ホームの椅子に半ば寝そべる姿勢でさっきから電車を何本も見送っている。

学校は遅刻。行きたくないわけもないのにただこうしていたい。一年前もこんなだった。だけど今は少し違う。

「…行くか。」

風が冷たい。

丁度電車がホームに勢いよくすべりこんできた。

電車に乗り込むとそこで一度車内を見回した。
優先座席のシルバーシートにひとりの老人がすわっているだけだ。
俺は適当に座席の真ん中を陣取ると


顔を





あげた。




そこに。


前の真ん中の席に


なぁ 夕…あの頃俺たちは街灯のあかりのしたで焼け死んでいたよな。


だけど俺は今もだらだら生きちゃってる


なぁ


俺はこの冬、進路をきめる。
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