蒼い月
【飛鳥Side】
「どういうことだっつってんだよ!」
「あの...っ」
・・・どうしよう。
まさか瀬戸内に聞かれていたなんて。
しかも相当キレてる。
怖い...よぉ..
「おい、河田。
どういうことなのか説明しろよ」
「実は...っ」
・・・全てを聞かれてしまった。
全てを知られてしまった。
もう...だめだと思った。
だって...あたしのことをもう
嫌いになってるなんてことは
当たり前だと思ってたから・・・
それなのに・・・っ
グイ...ッ
気がつくとあたしは
瀬戸内の腕の中にいた。
「瀬戸内...?何で...?」
「・・・ごめんっ!」
「え...?」
何で謝られてるのかが
全然分からなかった。
「飛鳥を1人で苦しませて..ごめん!」
声が...震えてた。
腕も心なしか震えてる...
そんなにあたしのこと...っ
「・・・ほんとは..っ
瀬戸内のこと好き....っ」
想いが溢れてとまらなかった。
もうあたしのことなんて
友達としか見てないかもしれない。
でも...あたしは....
「俺も...好き。
ずっと好きだった..」
「ほんと....?」
「当たり前だろ。
・・・俺と付き合って?」
「・・・・うん」
―こんなことが起こるなんて
思っても見なかった・・・
だって本当に本当に大好きだから。