蒼い月
オーディション
晴輝に告白されたのは
確か中2の時の...冬。
そして今は...中3の7月。
夏っていうのかな?
時が流れるのが最近すごく
早くなったような気がする。
それは多分...
晴輝と一緒にいるから。
あの頃と変わったことはあんまりないけど
しいて言うなら
あたしが瀬戸内のことを
『晴輝』って呼ぶようになったことくらい。
「おはよ~!
飛鳥、今日も彼氏くんと
ラブラブ下校すんの!?」
朝一で話しかけてきたのは
笑と有沙。
3年になってもクラスが一緒で
ますます仲良し♪
「まだ朝だし。
もう帰りの話とか気早い~」
「よっ!飛鳥!」
「あっ!晴輝!おはよ♪」
それにしても・・・
今日も何だか騒がしいような・・・
なんかこの騒がしさ、
前と似たような感じ。
なんかあるのかな?
「有沙ぁ・・・
何か今日騒がしくない?」
「あぁ、今日は確か
秋の文化祭の出し物にある
演劇の主役決めの
オーディションの前日だからじゃない?」
相変わらずこの2人は噂には詳しい。
「それよりさ!
飛鳥、今日のテストどう?」
「ん、だめだね」
「よかった、あたしも!」
オーディションかぁ・・・
演技するの基本好きだし・・・
やってみたいなぁ.....
♪キーンコーンカーンコーン
あーあ、最悪...
今日1日中テストなんだよなぁ...
中3になるとこれだからやだ・・・